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自分の頭で生き抜くための3つの方法

うっかり「方法」なんてものを出すと、「じゃ、そうやればいいのか」になって、言われた方は自分の頭で考えてはくれません。
引用:前掲書p49

橋本さんは著書の中で「こうすれば知性が手に入りますよ」といったわかりやすく、役に立つ方法を教えてはくれません。しかしここでは、あえて橋本さんの方針に逆らって3つの方法を提案します。ただし方法といっても、手順通りにやれば良いというものではありません。あくまで自分の知性について考えるきっかけを得るためのものです。

●「自分の根拠を作る」を習慣にする

日常の多くの疑問に対する答はスマホやPCを使えばすぐさま手に入ります。しかしそれでは自分の頭で考える力が鍛えられないため、自分の知性と向き合えません。またすぐに他人に相談したり、本に頼るのも同じです。

自分以外のところから答を引っ張ってくるのではなく、自分の中から答を導き出す習慣をつけましょう。その答にはしっかり根拠まで考えます。何もその根拠が最初から科学的・論理的である必要はありません。まずは自分で考えるのが大切です。

●「知る」「わかる」で終わらせない

「知る」「わかる」とつながっているのは、知識や教養です。知識や教養は自分の頭で考える際に役立ちますが、「知る」「わかる」だけで思考を止めてしまうと、知性からはむしろ遠ざかってしまいます。

そこで手に入れた知識や教養を自分ごととして当てはめてみましょう。『兵法』を読んで自分の仕事に当てはめる、ニュースの記事を読んで「自分ならどうするか」と考えてみる。それが世界の多様性への理解につながったり、自分の中の問題を発見するきっかけになるはずです。

●「わからない」と素直に言えるようになる

わからないことを素直に「わからない」と言うことは、歳をとるほど、あるいは社会的地位が高くなるほど難しくなります。しかしそうした姿勢は「自分は正しい」「自分が間違ってはいけない」という知性のない考え方につながります。これを避けるには素直に「わからない」と言って、他人の知性を借りればいいのです。そうすれば他人の知性を通じて自分の知性を自覚できるだけでなく、自分を含めた世界の多様性に気づけるようになります。

「知性」は複雑で控えめ


ナイフのようにスパッと切れるような「知性」のイメージを持っていた人にとってみれば、橋本さんの知性観は拍子抜けだったことでしょう。しかしだからこそ知性のある人というのは負けないのです。

確かに積極的に勝ちに行くことはできませんが、いざという時に持ちこたえるしぶとさをもっています。「自分の知性ってどんなものだろう?」と気になった人は、ここで解説した知性の性質について自分の頭で考えてみたり、筆者が橋本さんの方針に逆らって提案した3つの方法を試したりしながら、これを機に自分の知性と向き合ってみてください。