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人気者タイプではないあなたが人から好かれたいなら、「二人で話したい人」になれ

人と仲良くしたい、と思った時に、「だけど自分はみんなを楽しませることのできる人気者タイプじゃないからなあ」と思ってしまったことはないでしょうか。

実際、他者から好かれる人のタイプとしてイメージしやすいのは、みんなを笑わせたり、楽しませたりすることのできる「人気者」タイプの人ではないかと思います。

しかし、人気者タイプの人でなくても、人から好かれ、求められることは可能です。それには「二人で話したい人」になることです。

今日の記事では、そうした「二人で話したい人」になるためにはどうすればよいかについて、書いてみたいと思います。

二人で話したいなぁと思われる人

「あの人とは二人で話したいなぁ」と思われる人は、どんな人でしょうか。
その要素として、下記の二つが挙げられます。

①「この人と二人でいると、他のみんなといる時とは違って、居心地の良いコミュニケーションができる」と思ってもらえること

②「この人と二人でいると、他のみんなといる時には聞けない、興味深い話をしてくれる」と思ってもらえること

前提としてあるのは、「人は誰でも『みんなといる時用の顔』を持っている」という考え方です。

この「みんなといる時用の顔」を、相手と自分の双方でいかに外してゆき、相手の印象を変化させることができるか、という点が重要になります。

それでは、①②を順番に見ていきましょう。

表向きの「わかりやすい自分」

①「この人といると居心地の良いコミュニケーションができる」と思ってもらえること

人は誰でも、みんなといる時には、表向きの「わかりやすい自分」を持っています。具体的には、「みんなといる時用の顔」というのは下記のようなものです。
「〇〇キャラ」と呼ばれるような、みんなにとってわかりやすく親しみやすいキャラクターとして自身をコミュニティ内に流通させている
勉強ができる、仕事ができる、ゴルフが上手いなど、ある程度は誰にでも通じるような客観的な指標や能力をもって、その人らしさが成立している
「〇〇グループのメンバー」「誰誰と仲の良い人」という形で、誰と結びついているかがその人のアイデンティティとなっている
「みんなが知っていること、みんなが参加できること」にフォーカスを当てた話題(時事、テレビ、恋愛・結婚、学校や会社の内輪ネタ)を中心にしたコミュニケーションを行っている

それでは、相手にそうした「みんなといる時用の顔」をやめてもらうには、どのようなコミュニケーションを行う必要があるのでしょうか。下記の3点が重要です。

・「社会」や「みんな」を主語にしない

「みんなといる時用の顔」をやめてもらいたいわけですから、「みんなといる時」の考え方や、「みんな」からの視線というのは、二人きりの時にはすべて捨て去ってしまってよいものです。一般論、常識、お世辞など、知らず知らずのうちに「社会」が主語になっている発言は多いものです。

「常識で考えて~」「みんなもこうしている」みたいなニュアンスを含むコメントをすればするほど、相手は個人的な話がしにくくなります。

逆に、その人個人に焦点を当てた話題をどんどん出していきましょう。特に、その人固有の感じ方・考え方をなるべく多く見つけることが重要です。

使う言葉、好きな食べ物、趣味、仕事のこだわり、ファッションなど、自分の得意な分野のなかで、「この人の感じ方は世の中の一般的な基準から外れているな」というものを見つけていってください。

例えば、私は言葉について興味があるので、相手の言葉づかいから相手自身の内面に分け入っていくことが多いです。自分の興味のある分野で、相手のちょっと面白い部分を発見してみてください。

・倫理や善悪に基づいた否定をしない

「否定しない」というのは、こういったコミュニケーション指南の記事では必ず入ってくる項目かと思いますが、特に「倫理や善悪に基づいた否定をしない」というのは重要です。

二人だけのコミュニケーションは、相手からすると背徳的なフィクションを読んでいるのにも近い娯楽になりえます。倫理や善悪の基準というのは、多数の人間が傷つけあわずに上手く社会のなかでやっていくために設けられたルールであって、二人だけで妄想的なコミュニケーションを展開する際には、考慮しなくて良いものです(相手が本気で誰かを殺そうとしていたり、罪を犯していたりした場合には、もちろん止めなければなりませんが…)。

例えば、女性と話していて、「実際はそういったことはしていないが、多くの男性と関係したいという気持ちを持っている」という話が出てきた場合、それについて倫理的に否定したり善悪を論じたりするのではなく、その気持ちがどこから来るものなのかを一緒に探っていくとよいでしょう。

なお、円滑なコミュニケーションを目指す上で相手の発言を否定してはいけない、という意見は、私は必ずしも正しくないと思っています。相手の発言に賛同できない場合には、「それは良くないことだと思う」とだけ告げるのではなく、個人と個人の価値観の相違を浮き立たせるような構図を作るのがよいと思います。

例えば、「自分は〇〇という人間なので、そういうことはできないなぁ」といった形にすれば、相手の発言を倫理性の点から否定することなく、対話を深めていくことができます。

・秘密を守る

二番目の「妄想的なコミュニケーション」を行う上でも必須の要素になってくるのが、この「秘密を守る」という点です。
Google社がビジネスの世界で提唱している「心理的安全性」という概念にも近いのですが、「二人で話したい」と思ってもらうためには、「この人に何かを言ったことで、自分が危害を加えられたり、不利益を被ったりすることはない」という感覚を相手に抱いてもらう必要があります。

コミュニケーションは、なにもその人と直接顔を合わせて話す瞬間だけで成立しているわけではありません。例えば誰かと二人で飲みに行く時、その飲みの場を相手に楽しんでもらうためには、事前に自分に対して「この人といる時間や場所は安全地帯だ」という印象を持ってもらっていなければなりません。

コミュニケーションを単発的な打ち上げ花火だと考えるのではなく、連続的な毎日の生活のなかの一パーツだと捉えることが必要です。日々自分が接しているコミュニティ内での噂や評判も、深いコミュニケーションを行う上では重要な要素と言えるでしょう。

この人が自分を傷つけることはない

②「この人と二人でいると、他のみんなといる時には聞けない、興味深い話をしてくれる」と思ってもらえること

「他のみんなといる時には聞けない、興味深い話をしてくれる」というのは、いわゆる「ギャップ」と呼ばれるものかもしれません。この記事をここまで読んでくれた方であれば、間違いなくギャップをもたらせる素質を持っています。

なぜなら、あなたは「みんなといる時の自分は嫌いじゃないけど、それが本当の自分なのかと言われると微妙だなぁ」という違和感があるからこそ、このような記事を読んでいるはずだからです。その違和感を素直に見せることができれば、それがギャップになります。

と言いつつ、素直に自分を見せるというのは非常に難しいことです。なぜなら、率直に自分を出すためには、相手に対して「この人が自分を傷つけることはない」という信頼を抱いていなければならないからです。

相手に対してそうした信頼を抱きやすくなる条件として、いくつかのパターンが考えられます。代表的なものを下記に4つ列挙しました。()内はそれぞれをカテゴライズしたものです。

・自身の性質として、生来的に人が良く、相手を信じやすい(先天的な性質)
・相手から理解されなくても傷つくことがない人間である(先天的な性質)
・相手が自分に対して好意を持っている確信があり、発言の裏を読む必要がない(状況)
・自分自身のことは他の誰よりも自分が理解しているため、相手の発言に動じることがない(後天的な性質)
特に4番目については後天的に習得できる性質なので、努力で身につけることが可能です。上の3つに自信が無い人は、自己分析を繰り返して4番目の要素を体得するとよいでしょう。

さて、相手に対する信頼を自分のなかに打ち立てた上で、「他のみんなといる時とは違う自分」を出していきます。こちらの記事にも書いた、いわゆる自己開示と呼ばれる行為ですが、重要なのはみんなといる時と二人でいる時の違いを意識して話すことです。具体的には下記の3点です。

・「みんなといる時用の顔」を自分はどう思っているか話す
これは、言うなれば舞台裏を見せる、ということかもしれません。みんなと一緒にいる時に見せている顔というのは、たくさんの観衆を前にして舞台に上がっている劇の登場人物に似ています。当然、今あなたと二人きりで話している人も、そうした舞台の上のあなたを見てきていることでしょう。その登場人物が、実際はどんな感情を抱きながら自分の役割を演じているのかという舞台裏を見せることは、相手に興味を呼び起こすはずです。

例えば、いじられキャラの人なら、本当はいじられることについてどう思っているのか語るとよいでしょう。重要なのは、あくまで他罰的にならずに、内省的に話すことです。いじられるのが嫌なら、どうして嫌なのか、嫌だと感じないいじられ方は存在するのか、そもそもどうしてみんなの前では嫌だと言えないのか、などについて語るのがいいでしょう。

「いつもいじってくるあいつは嫌いだ」と他者を攻撃してしまうと、今あなたと相対している人は、「この人はいつか自分のことも誰かの前で攻撃するかもしれない」という不安を抱くことでしょう。そうなると、相手からの自己開示は望めなくなります。悪口を中心とした「ぶっちゃけトーク」は、効果的な自己開示として機能しにくいのです。

内省的に話すためには、自分自身に興味を持つことです。どうして自分はそのような感情を持つのだろうか、ということを、自分ひとりで、もしくは相対している相手と一緒に、考えてみるとよいでしょう。

・感情の出し入れをする
みんなといる時には、人は周囲に感情を見せることを制限しています。見せたとしても、社会から容認されるプラスの感情、すなわち嬉しいとか楽しいとか、そうした感情のみに限定されていると思います。ですが、200人以上とサシ飲みした男が教える、楽しく会話をする方法でも書いたように、人が最も興味を抱く話題は、感情に関するものです。

したがって、二人きりの時には、あらゆる感情が解禁されるべきだと私は思います。普段は見せない感情もすべて(他罰的にではなく)見せていくと、「この人はこういう部分もあるんだ」と思ってもらうことができます。

感情を見せるという行為は、慣れていないとなかなか恥ずかしいものなので、普段から感情を出し入れする練習をしておくとよいでしょう。そのためには、映画や音楽などの感情を動かしてくれるコンテンツに触れたり、日々の生活のなかで自分の感情が動いた瞬間を言葉にしたりしておくことです。

・自分の個人的な話ができて、かつ相手も興味を持ちそうなテーマを選ぶ
みんなといる時、あなたは自分が周囲に提供する話題のカテゴリーを「みんながわかるもの」に制限しているはずです。代表的なものは、先ほども書いた「時事、テレビ、恋愛・結婚、学校や会社の内輪ネタ」などですね。この制限を外して、自分の個人的な話ができ、かつ相手も興味を持ちそうな話題を選んで話すと、深いコミュニケーションに繋がります。

つまり、なるべく広い分野のことを知っていると、それだけでコミュニケーションには有利に働くのです。もちろん、知識ではなく感情をベースにしたコミュニケーションを心掛け、「それを知ってどう思ったか」「それを体験して何を感じたか」の話をしてください。

そのなかでも、私がお勧めなのは、小説の話をすることです。なぜなら、小説というのは、数少ない「他の人と一緒に観賞することのない、たった一人で楽しむ娯楽」であり、その話題は必然的に個別的なものになるためです。

映画や音楽も一人で楽しむことはできますが、他の誰かと一緒に楽しむことも多いものです。経験上、小説が好きな人は、二人でのコミュニケーションが好きなケースが多いのですが、それは小説を読むという行為そのものが、いわば「作者との二人だけのコミュニケーション」のようなものだからだと思います。

小説に限らず、自分の知識や経験のなかから相手にフィットしそうなものを取り出して話すことができれば、深いコミュニケーションに繋がるでしょう。

以上、「二人で話したい人」になるためにはどうすればよいのかについて、書いてみました。人から好かれることは、人気者の専売特許ではありません。この記事を読んで、あなたが誰かと仲良くなれたらいいなと思います。