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仕事相手が「サイコパス」だったときの5つの対処法。“口達者な嘘つき” とどう関わればいいのか?

仕事相手が「サイコパス」だったときの5つの対処法。“口達者な嘘つき” とどう関わればいいのか?

サイコパス」と聞くと、映画などに出てくる犯罪者をイメージする人が多いのではないでしょうか。でも実は、一般社会にも多く紛れ込んでいるそうですよ!? もしも、あなたの頭を悩ます存在がサイコパスであれば、「きっと分かってくれる」が通用しません。今回は、社会で堂々と魅力的に立ち回るサイコパスの特徴と、その「脳」の働き、心得や対処法を紹介します。

決して少なくない一般社会のサイコパス

サイコパス人格障害の一種だと語る、矢幡心理カウンセリング研究所所長の矢幡洋氏は、その特徴が「他人の権利を無視し、侵害すること」だと説明しています。近年は「反社会性人格障害」と呼ばれるそう。矢幡氏いわく、「サイコパスが主に棲息しているのは、塀の中ではなく一般社会」とのこと。科学ニュースサイト Live Science では、“一般人口の約1%、刑務所人口の約25%をサイコパスが占めている”と伝えています。

 

サイコパスの特徴

大小あれど、誰しも心に“闇”を抱えているので、状況によっては普通の人でも「サイコパスの特徴」に当てはまってしまう場合があるといいます。これから紹介するサイコパスの特徴は、あくまでも目安として考えてください。

1.サイコパシーチェックリスト(Dr. Robert Hare)

FBIの犯罪捜査リソースセンターなどで活躍する犯罪心理学者、Robert D. Hare氏によるサイコパスのチェックリストから犯罪関連を省き、類似内容をまとめました。

・表向きは魅力的口達者
自信満々自慢が多い
刺激を求めている
・平然とウソをつく
・うまく人を操ろうとする
良心が欠如している
・他者に冷淡
感情的な行動を制御できない
・後先考えず突飛な行動をする
無責任で約束や義務を果たせない
・自分の過ちを認めない
他人の金銭・私益を利用しようとする
・現実的かつ長期的な目標がない

2.サイコパスの目安となる特徴(矢幡洋氏)

サイコパスは一見すると善良な市民なので、なかなか見分けるのが難しいそう。社会的地位が高いサイコパスもいるのだとか。そう語る矢幡洋氏が挙げた、「サイコパスの目安となる特徴」を参考にまとめました。

・利益で人を誘導する――人は損得でしか動かないと信じている
・ウソがばれても動じない――ウソをつくことにまったく罪悪感がない
・ウソを見抜きにくい――ウソの中身は自分を魅力的に見せるための自己演出が多い
スキをついてくる――常に他人の弱みを狙っているので言葉尻をとらえて瞬時に踏みこむ
・相手の痛みに鈍感――他人が傷ついても気にせず利用価値がなくなれば冷酷に切り捨てる
人間・社会不信の発言をする――自分以外の人間を信じていない

3.ビジネスシーンにおける特徴(中野信子氏)

認知神経科学者の中野信子氏は、他人の考えを見抜き、操ることに長けているサイコパスは、プレゼンテーションのレベルが相当に高いはずと話します。

そのため、プレゼンテーションは完璧でも、実際の価値が見合っていない場合があるのだとか。

一方でサイコパスは、事務的な仕事や、協調性を必要とするチームワークは苦手とのこと。あまりにも完璧なプレゼンテーションを受けた場合は、その人物を少し観察し、冷静になってから契約を考えたほうがいいかもしれません。

サイコパスの「脳」はどんな状態なのか?

では、そんなサイコパスの「脳」には、どんな特徴があるのでしょう。

1.「腹側線条体」が活発化している

ハーバード大学神経科学者・心理学者の Joshua Buckholtz 氏は、49人の受刑者それぞれの精神病質レベルを評価し、テストを実施して、MRIにより脳を測定しました。テストは「すぐに少額の金銭を受け取るか」あるいは「後でたくさんの金額を受け取るか」の2つから選ぶというもの。

すると、サイコパスレベルが高いほど、すぐに報酬をもらいたがる傾向にあり、腹側線条体と呼ばれる脳領域が活発化していたそうです。また、その腹側線条体と、vm-PFCと呼ばれる脳領域との結合が、かなり弱いことを見出したそう。

vm-PFCがある脳の前頭前野は、複雑な認知行動、人格、適切な社会的行動にかかわると考えられています。一方、腹側線条体ニューロンは、短期的な報酬の期待・スケジュール進行の情報を持つとされています。

これが意味するのは、サイコパスの脳が、即時に得られる報酬を過大評価しており、不道徳な行動がもたらす将来のコストを無視しているということ。「そんなことをしたら、あとが大変だよ」と説いても通じないわけです。

2.前部帯状回の活動が低下している

また、京都大学サイコパスがためらわずウソをつく背景に、前部帯状回の活動低下があることを実証しました(2018年7月19日発表)。

研究グループは囚人を対象にある課題を与え、MRIで脳活動を測定したそう。すると、サイコパス傾向が高いほど、ウソを発する意思決定までの時間が速かったそうです。

活動が低下していたという前部帯状回は、葛藤などの心理プロセスにかかわる脳領域なので、サイコパスウソに対する葛藤が低下しているため、ためらわず素早くウソをつくと解釈できます。(ただし、この結果はまだ結論を導くものではないそう)

もしもサイコパスに出会ったら?

もしも、サイコパスかもしれない人物に出会ってしまったら、とにかく近づかないようにすることが身のためです。それが難しければ、「対象となるサイコパスの特徴をよく理解して、割り切った同盟を組む」という、矢幡氏のアドバイスが有効です。サイコパスには攻撃力があるので、共通の敵や、ビジネスの競合相手がいる場合には強い味方となるはず。したがって、サイコパスに接した場合の心得・対処法は次のとおり。

1.かかわらない・近づかない
2.ウソがあると想定し、発言の裏はかならずとる
3.良心に訴えても難しいと理解する
4.どんな場合も、お金は貸さない・私益は譲らない
5.共通のメリットが生じる場合のみ同盟を組む

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サイコパスの“たくましさ”は、見習うべきだと矢幡氏はいいます。一般社会における「困ったさん」程度のサイコパスなら、遠くから観察してみるのもいいかもしれませんね。